本楽家 ( ほんがくか ) 通信

本にまつわるあれこれを楽しむ、日本本楽家協会の活動報告です。

読書・読書法

ここぞとばかりの読書会

古本カフェcestaの読書会に参加してきました。 今回は夜の読書会。 テーマは「大人のラブストーリー」。 通常の読書会でもラブストーリーをテーマにやってましたが、今回は「大人の」。 私の単純な思考回路だと「大人の」がつくと、「恋」ではなく「愛」。 …

カバンから雑誌記事を取り出して

たった一つの欲しい記事のために雑誌を買います。一通り目を通すけど、やっぱり他の記事はほとんど関心がない。だから雑誌の専有スペースに対して本当に必要な記事の占める割合は非常に少ない。ここ何年か、リアルタイムで雑誌はほとんど買うことがなく、買…

北尾トロ「男の隠れ家を持ってみた」新潮文庫

隠れ家を持って一体、どうなった???非常に興味を持つタイトルにつられてつい買ってしまった。最初の方ですでに書いてあるけれど劇的な話というのは全くない。でもそれもそうだよな〜なんて、妙に納得。ただ劇的でないにしてもいろいろと著者の人間関係に…

2007年 私が楽しめた本ベスト3

今年一年で(最後まで)読んだのは36冊(雑誌・漫画除く)。 去年は47冊だったので増えているどころか減っている(!) 数の問題ではないけれど少なすぎると反省。 さて今年は少ないでベスト3。 条件は2006.1.1〜2006.12.31までに完読した36冊から、もっとも楽しめ…

「読書」という言葉でつらつらと

かの有名な仮想大学、本楽家大学の課題。 今回は「読書について」。 そもそも「趣味は読書」はある種の憧れではあるものの、自分にとっては縁遠い言葉。 私の趣味はどちらかといえば「読書」に至るまでの行為。 つまり目録を眺めたり、実際に(古)本屋を巡り…

本のタイトルリレー第2周第4番「子どものことを子どもにきく」

本のタイトルリレー、気づいたら1ヶ月以上持ったままでした。 「読書のあしあと」の大三元さんから「子どもが減って何が悪いか!」という本を受けて、次の本を読みました。 「子どものことを子どもにきく」杉山亮(新潮OH!文庫) これは著者がその息子にインタ…

山崎豊子「花のれん」新潮文庫

Yahoo!ブログ「アンディ日記」のおじゃさんから、昨年の忘年会でプレゼントしてもらった本。 船場の呉服店に嫁いだ「多加」だったが、亭主の寄席道楽のために店は潰れた。 それほど好きなら寄席道楽を本業に、ということで寄席を始めたのだが肝心の亭主は死…

今年の初読み

あまり本のレビューはしないけれど、今年最初ということで。 今年の初読み(終えた本)は 「組織を強くする 技術の伝え方」畑村洋太郎(講談社現代新書) 団塊の世代が多く退職することによって起こりうる、技術継承断絶を回避するにはどうすればよい? というの…

2006年 私が楽しめた本ベスト5

今年一年で(最後まで)読んだのは47冊。 読む本が少ないうえに文句なしに楽しめた!という本が10冊も選べないのでベスト5にしました。 条件は2006.1.1〜2006.12.31までに完読した47冊から、もっとも楽しめた本5冊。 購入時期や本の出版年度は無視。 並び順に…

『読書のすすめ』のすすめ

新刊書店に行くと様々なパンフレットやカタログ等の冊子などが置いてあります。 以前記事にした「新潮文庫の100冊」もそうですね。 こうしたものはタダなのでしっかり(!)もらって帰ります。 (だから面白い冊子が沢山ある新刊書店はとても好きです。) さてそ…

読書はリズムに合わせて

読書は読者が積極的に参加しないと面白くないのは既に誰しも知る所。 あと、(特に小説で)忘れてはいけないのはその本に合わせたリズムで読むことが肝心なこと。 これをまさに痛感したのがこの本。 伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」祥伝社文庫 私の…

火の粉がうだつを越えてきた

その日に読んだ本の内容と、同じ日にあった出来事が「結びつく」事ってありませんか? おそらくよく本を読まれている方ならば少なからず体験していると思いますが。 特別に意識したわけでもないのに、小説の世界のなかでふとその日の事が割り込んでくる。 そ…

村上征勝「真贋の科学-計量文献学入門-」朝倉書店

1994年の出版なので内容はかなり古いと思われる。 しかし「入門」だからよいかな。 これまで、ある文献の真贋を調べる場合には、その文献に使われている紙やインク、また筆跡による判定が行われる。 しかし元の文献がこの世に存在しない場合、例えば人づてに…

文・横田順彌、絵・前川かずお「ただしいだじゃれの本」草土文化

1986年の作品。 懐かしさのあまり借りる。 だじゃれって面白いよ。 それを軽妙な文体でもって語ってゆく。 単なる児童書と思ったら大間違い。 だじゃれの歴史からはじまり、だじゃれの作法(TPOなど)、ついにはだじゃれの作り方まで懇切丁寧に、面白く語って…

ふりかけご飯

何でそんなにふりかけが好きなんだろう。 うちの子どもの食事風景を見ての感想です。 真っ白なご飯だけだしても食べません。 (もちろん、お味噌汁をはじめとするおかずは置いてあります) しょうがないのでご飯の上にふりかけパラパラ (ここで全部入れると後…

茨木のり子さんの詩

新聞やテレビ、そしてWebのニュースですでにご存知の方が多いかと思われますが、今日(2/19)、詩人の茨木のり子さんが、自宅で亡くなっているのが発見されました。 79歳だったそうです。 私は詩を全くと言ってよい程、読みません。 だから詩集なんて買わない…

「津軽のバカ塗り」読み

たまに「なるほど!」と感心したりする本に出会うことがあります。 そんなとき、この意味する所は是非覚えておこう、なんて思います。 でもすぐ忘れます。 こんな事の繰り返しなので、本を読んでいる割には知識は増えていない。 そしてその知識を活かしたよ…

嘘のような生物、本当っぽいけどいないヤツ

最近は調べ物をするときはまず、インターネットで検索して調べてしまう。 「便利だなぁ」なんて思いながらヒットした記事を読むのだが、たまに書いてあることがいい加減だったり、本人が知ってか知らずか嘘だったり。そう簡単には信用できないものもちらほら…

変化球な本えらび

今、自分にとって一番気になる作家の一人、リリー・フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド。 ユースケ・サンタマリアという名前も長いと思っていたらもっと長い人がいた...。 まぁペンネームの長さよりも現在は「あの」作品で大人気ですよね。 「おでんくん…

読書の履歴を振り返る

ノートなんかに読書日記をつけている人はどれくらいいるのだろうか? 私がYahoo!ブログでファン登録している人の中にはブログ上で読書日記を書いている方がいるが、でもそれとは別にノートに記している人っているのだろうか? そもそもブログの場合は他人に見…

虐待的(?)読書法

私の中で暗黙に決めていた「本に対してしないこと3ヶ条」というのがあった。1. 線を引いたり、書き込みをしない。2. ページを折り曲げない。 3. 破らない。 結局の所、本を丁寧に、大事にしながら読む。 だから食事中には読まない。 本の天敵、水気のある所…

気になる脚本家 -矢島正雄-

面白いドラマを見ると、欠かさず脚本家をチェックします。 もちろん原作があればそれもチェックしますが、まずは脚本家から入ります。 私が好きな脚本家は山田太一さん。 かなり古いですがNHKの「男たちの旅路」というドラマを観て以来のファンです。 そして…

佐藤多佳子「しゃべれども しゃべれども」新潮社

落語家、古今亭三つ葉がひょんなことから素人三人に落語を教えることになった。従弟の良にワープロオペレーターの十河、そして小学生の村林。この三人が皆それぞれワケあり。 翻って三つ葉はといえば、これはまだ二つ目という身分で今はスランプ状態。 とに…

ザミャーチン「われら」岩波文庫

1920年代の作品。 「恩人」の名の下にその「単一国」の国民である「われら」はその生活を「時間律法表」で管理され、その行動を「守護者」によって監視されている世界での話。 アンチ・ユートピアを描いた作品。 そもそも国民は「員数成員(ナンバー)」で区別…

私だけの世界一使える図書館「生物」

生物の授業というとなぜか男性よりも女性の方が得意という印象があります。 でもそれは単に高校時代の生物の先生が女性だったから? 中村桂子「あなたのなかのDNA」ハヤカワ文庫 DNAはまさに誰しも持っているにも関わらず、まだ誰もその全容を知っている人は…

私だけの世界一使える図書館「物理」

「物理学とは物の理(ことわり)を知るものであって、心の理を知る心理学と対比するものである。」 なんてことを大学時代に先生から授業で教わった。 物理学と心理学とを比較対象とする事なんてまったく思いつかなかったせいか、これはとても印象に残った言葉…

やっちまいたい一戸建て。

生涯で最も高い買い物となるであろう持ち家。高いだけにチャンスは1回、失敗は許されない! 本一冊買うのでさえ何時間と悩むことがある(楽しんでいる?)私にとっては、家を買う(建てる)ということは慎重に慎重を重ねなければいけません。 ということで家に…

世界一使える図書館

日テレで「世界一受けたい授業」がやっています。観ている人も多いと思います。 残念ながら私はいつもタイミングが悪いために、この番組は数回しか見た事がありません。 かなり人気があるそうですが、私もこの番組はとても面白いと思いました。 私にとっての…

つまみ読みの楽しみ

精読、摘読、速読、斜め読み、朗読、音読、黙読、積読(?)...、本の読み方はいろいろありますが、「つまみ読み」も捨てがたいものがあります。 ここで言う「つまみ読み」とは、食べ物の「つまみ食い」に対して、本を対象にした一種の拾い読み(摘読)です。 拾…

「原典」回帰へ

学生のとき古典の授業がとても苦痛でした。文法はもちろん、同じ言葉に対して現代とは異なる意味解釈をしないといけないところにかなり苦労させされました。 しかし月日が経って...それなりにいろんな本を読んでくると、どうしても最後は「古典」に行き着く…