本楽家 ( ほんがくか ) 通信

本にまつわるあれこれを楽しむ、日本本楽家協会の活動報告です。

1時間で400冊分楽しむ本(?)


 持っているようで持ってない(と思われる)。読み通した人が少ない(というよりも読み物と思われていない?)のが、文庫の解説目録です。ちょっと前に名作のあらすじ/要約をまとめた本が多数出版されていましたが、この解説目録の利点は無料で、もっとたくさんの本のことを知ることができるところです。
 まあこう書いてしまっては当たり前すぎてあまり関心を持ってもらえませんが...。
 今回、本屋で久々に解説目録を貰ってきましたので、自分なりの解説目録の楽しみ方を少し書いてみます。

1. とにかく読んでみる。
 これは純粋な(?)読み方です。
 気になっているけど、まだ買わず(読まず)にいる本を手っ取り早くチェックできます。逆に絶対買わないだろうという本もチェックしておけば、何かの会話で出て来ても1回分の相づちは打てそう??
またこんな本があったんだという発見がきっとあると思います。

2. 解説の内容を楽しむ。
 読み始めてくると解説の内容自体に関心が及びます。
 例えば講談社文庫の場合1冊につき100字程度を割いています。この制限の中で1冊をPRしないといけないので、そのセールスポイントは本によって様々です。賞をもらっていると大抵、書いてあります。文庫書き下ろしの場合も、大抵その旨書いてあります(他では読めないよ、ということでしょうか)。
 エッセイ一つとってもいろんな分類があるようです。自伝的エッセイ、痛快エッセイ、爆笑エッセイ..、今時「痛快」?とか思いながらもつい気になってしまいます。

3. 解説目録の「厚み」を見る。
 これは同じ出版社の解説目録を毎年、手に入れるようにするとわかります。
 厚くなってくると、この出版社がんばってるなぁとか思う訳です。とくにそれまで中とじで済んでいた目録が、いわゆる文庫のように無線とじになると人ごとながらうれしくなります。
 一方で厚みがあまりかわらなかったりすると心配になります。この場合の心配は出版社に対してというよりも載らなくなった本に対してです。載らないということは絶版、品切れを意味します。新刊が毎月どんどん出る一方で、売れない本、場合によっては古典、名作の類がどんどん消えていきます。厚みがかわらないことはそれを如実に現します。
 せめて「絶版、品切れ」との注釈で載せておいてほしいのですが..無理なんでしょうね。

 だんだんマニアックになっていそうな..
 それでも面白いですよ。私のつたない文章ではなかなか表現しきれませんが。
 こんな楽しみ方をしている、という方がいたらお話聞いてみたいものです。でもそもそも解説目録の愛好者なんているのかな?