私だけの世界一使える図書館「生物」
生物の授業というとなぜか男性よりも女性の方が得意という印象があります。
でもそれは単に高校時代の生物の先生が女性だったから?
中村桂子「あなたのなかのDNA」ハヤカワ文庫
DNAはまさに誰しも持っているにも関わらず、まだ誰もその全容を知っている人はいません。
もっとも遺伝子の個々の働きや相互関係について厳密に知らなくとも、素人である私には単にDNAって何?遺伝子とDNAとの関係は?といった低レベルのことさえわかれば良い訳で、そうなると自然、入門的な本を探して読むことになります。
そしてこの本はそんな私にはうってつけの本でした。
ストーリは中村さんと女子大生のかな子さんとの会話で構成されています。
この手のものでは、最初は全くの「ど素人」の生徒が、中盤から終盤にかけて突如として賢くなって読者(というか私)を置いてけぼりにしていくことが多いのですが、これは最後までとても読みやすく、そしてわかりやすかったです。
内容としては、DNAはどこにあるのか?何をしているのか?という疑問から最後の方ではバイオテクノロジー、そして中村さんの提唱する「生命誌」について話が進んでいきます。
まさに「あなたのなかのDNA」。自分自身というもっとも身近なところを出発点にするととても分かりやすいと思いました。
続編ともいうべき「食卓の上のDNA」についても同様にわかりやすく、ちょっとDNAについてかじってみたいと思っていた私にはピッタリでした。
なお中村さんは現在、館長をしておられるようです。
生命誌研究館
http://www.brh.co.jp/index.html