本楽家 ( ほんがくか ) 通信

本にまつわるあれこれを楽しむ、日本本楽家協会の活動報告です。

虐待的(?)読書法

 私の中で暗黙に決めていた「本に対してしないこと3ヶ条」というのがあった。

1. 線を引いたり、書き込みをしない。
2. ページを折り曲げない。 
3. 破らない。

 結局の所、本を丁寧に、大事にしながら読む。
 だから食事中には読まない。
 本の天敵、水気のある所には持っていかない。
 風呂で読むなんてもってのほか!(でもなぜか憧れる)
 これは高価な本ばかりでなく、安い文庫に対してもそうだった。

 そんな私の前でいきなりとんでもないことをした友人たちがいた。

友人A

 「この本(文庫)厚くて読みにくい」と言ったかと思うと、真ん中辺りでバッサリ切ってしまった。
 そんなに厚い本とは思えなかったけれど...この友人にかかったら京極さんの本は3分冊くらいにはなっていたに違いない(分冊して正解でしたね)。

友人B

 新しい辞書を買ってきて、「こうすると使いやすくなるんだよ。」と言いながら、1ページ目から紙をくしゃくしゃに丸めてそれを広げ、次に2ページ目を丸めて広げて....の作業を始めた。
 丸めて広げての運動をさせられた辞書くんは...かちっとキメていた真面目サラリーマンからアフロ兄さんのようにページが広がって厚さが倍以上になってしまった。


 こうした友人がいることを私はとても羨ましく思った。
 彼らはしっかり自分のやり方で本を楽しんでいる。そして使いこなしている。
 大事大事とかわいがって読んでいる私はまだまだ駄目だ(何が?)、となぜかそう思った。

 そこで私も彼らのマネをしてみようかと思った。

 友人Aの行為は私にとってはハードルが高かったので、まず友人Bのマネをして自分の辞書をアフロ兄さんにすることにした。
 最初のうちは恐る恐るだったがページを追う毎に恐れもなくなり、最後の方は只がむしゃらに丸めて広げての運動をした。
 
 結果
 
 使いやすーい。
 辞書が手に馴染んだかんじがする。それに紙が広がっていてページがめくりやすい。

 
 現在の私。
 辞書類は例外なくアフロ兄さんにするようになった。
 問題集などには書き込みが出来るようになった。
 破るのはまだまだ...。これは今後もやらないと思う。
 
 でも本を「うまく」汚すと愛着も湧いて心なしか内容も頭に入りやすい気がするのは...やっぱり気のせいかな。