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本楽家 ( ほんがくか ) 通信

本にまつわるあれこれを楽しむ、日本本楽家協会の活動報告です。

本の旅


 このたび、「お気に入り辞書」のCuttyさんの本に続き、なんと私が書いてきたブログが億出版様から出ることになりました!私のブログにコメントくださった方、どうもありがとうございました!!

 なんてことが書けるのは、Yahoo!ブログ「ま、いろんなことがあるんだわさil||li _| ̄|○ il||」の億さんから、このブログのための本の表紙デザインを頂いた今回と、毎年一回嘘をついても笑って許してもらえる日以外はない。
 (なお億さんの作品は私のプロフィールの画像かゲストブックで見れます)

 自分の本が出来たとしたら、きっと本好きでなくともすごく嬉しいに違いない。それは自分がコツコツと研究してきたこと、書き貯めてきたことが実際の形、モノとして世に生まれてくるからじゃないかなと思う。
 そしてモノとして生まれてくるということは、曲がりなりにも自分以外の人に認められた、ということにもなる訳で、そこが嬉しさの理由かもしれない。

 私の妄想の世界では大抵、本が生まれてくる所でめでたしめでたしで終わってしまいますが、実際は本の生涯はここからです。
 いや場合に寄ってはすぐこの世から消えて終わってしまうのですが、本によってはこの後、さまざまな旅をします。

 実はここまでが長い前置きで、ここで書きたいと思っているのは、どのような経緯があったのか、ある一軒の古本屋に流れついた、本の話。

 菊池葉子「木乃伊になった先祖」

 もしこの本、あるいは著者を知っている方がいたら、実はその人もこの本を持っているかもしれません。なぜならこの本は、自費出版でしかも非売品なんです。

 この著者、出版当時は中学3年生。
 内容は名古屋大学医学部に保存されている3体のうちの1体のミイラが自分の先祖であることを知り、それをキッカケとして自らのルーツを探すというもの。
 これを学校の自由研究の課題としてまとめたのがこの本です。

 最初、ミイラはこの著者の父から数えて六代目だと言われていた。
 しかし著者が調べていくうち、実は五代目だということが判明した。
 またこのミイラとなったご先祖は「本草学で乾燥剤の研究をしていた洋医学者で」あり「生前すでに自らミイラの実験台になることを決意」してそのための準備を生前に行い、遺言で「後世に機会があれば発掘して調べてみよ」と伝えて亡くなったそうである。

 まさに遺言通りになったわけで、しかもその子孫の一人がこのミイラをきっかけにルーツ探しをしたという、ミイラ冥利につきるような話である。

 ページ数は122ページ。中学生の自由研究としては素晴らしい題材。
 名古屋大学の先生をはじめとして様々な方に協力してもらったこともあり、恥ずかしくないようきちんと製本して配ったとおもいます。

 そのような本の一冊が古本屋に流れ着いた。

 本人が配る宛をなくしたのか、貰った誰かが要らなくなって他の本とともに出してしまったのか、もちろんその辺はわかりません。
 きっとほかにも何冊かどこかの古本屋に出回っていることと思います。
 そのどこかにひっそりと並べられているであろうこの本を、著者の孫やひ孫たちが見つけて、それをキッカケにまた自分たちのルーツを探ることになったとしたら...なんて考えると、なんだか人ごとながらワクワクします。

 本の旅はまだまだ続きそうです。