本楽家 ( ほんがくか ) 通信

本にまつわるあれこれを楽しむ、日本本楽家協会の活動報告です。

変化球な本えらび


 今、自分にとって一番気になる作家の一人、リリー・フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド。
 ユースケ・サンタマリアという名前も長いと思っていたらもっと長い人がいた...。

 まぁペンネームの長さよりも現在は「あの」作品で大人気ですよね。

 「おでんくん

 ....すみません。やっぱりみんな「東京タワー」と言うだろうなぁ。
 
 ひねくれ者というか天の邪鬼である私は、ほとんどのベストセラーはその時には読みません。
 そのかわり同じ作者の別の作品を読む。ベストセラーの本は「ブーム」が去った頃におもむろに読む。

 素直に読めばという声の方が多いと思いますが、実はそうする理由は一応自分なりにあります。

 それはベストセラーになるまでの過程を辿っていきたい、と思っているからです。
 別の言い方では出版された順に読む、という言い方もできますが。

 どうしてその作品の前はそんなに話題にならなかったのか?
 これまでとどう違うのか?
 こんな疑問も湧いてくるからだとも言えます。

 でも賢明な方は(まぁ普通の方でも)わかるかと思いますが、この読み方はかなり冒険です。

 なぜなら前の作品があまりにもつまらなかったらその分、お金そして読んだ時間を無駄にしたと思うからです。
 ひどい場合はベストセラーの方も読まなくなってしまいます。
 
 だから正直「東京タワー」はかなり迷ってしまった。
 大好きな「おでんくん」の作者だし...私のお気に入りブログの方でもとても評判は良かったし...そもそも最初の方を立ち読みした限りでは面白そうだったし..。

 でも(やせ)我慢して別の本を買って読みました。

 河出文庫「美女と野球」

 これを選んだ理由は帯の「とっても思い入れのある本です」という本人のコメントで。
 
 読んだ単純な感想は、かなり笑えた。でもかなりシモにまつわる話が多かった。
 でもこの本を読んで自分としては正解だと思いました。
 この本の中には「東京タワー」はもちろん「おでんくん」の原点となるような作品があると思ったからです。

 ところで「おでんくん」は次のような文から始まります。

 「なんでも知ってるつもりでも
  ほんとは知らないことが、たくさんあるんだよ。」

 このおでんくんのセリフが「美女と野獣」を読んでいくと何度も思い出されます。

 そして「東京タワー」に繋がると思われる作品もありました。
 「オカンがガンになった」
 「オカンがガンになった 2」

 そして最後に遅まきながら私は確信しました「東京タワー」は面白いだろうと。
 (だから面白いと言っているだろう!というツッコミなし)