本楽家 ( ほんがくか ) 通信

本にまつわるあれこれを楽しむ、日本本楽家協会の活動報告です。

本の探偵の仕事はこれから


 私にとって「本の探偵」と言えば、赤木かん子さん。
 絵本や児童書、YA(ヤング・アダルト)本のオススメを探そうとした人なら知らないはずはない!
 と勝手に思っているくらいの人。

 その赤木かん子さんに何度、探してもらおうかと思ったことか。
 しかし本の探偵になりたて(いつのまに?)の自分の初仕事、やり抜いてみせる。
 そして長い月日をかけて、やっと見つかった。

 舟崎克彦ピカソ君の探偵ノート」パロル舎

 でも実際に本を手にして、何か昔の記憶と全然違うなぁと思ったら、本の最後に
「『ピカソ君の探偵帳』(1983年福音館書店刊)を、加筆訂正し改題。」
とあった。
 とりあえず探していた本だったようなので早速借りてきました。
 
 しかしこの本は、あくまである容疑者に対する疑惑、そして真相を明らかにするために必要な重要参考人(というかひょっとしたら一番の被害者?)なのです。

 話は約10年前にさかのぼります。
 ちょうど「名探偵コナン」という漫画がTVアニメ化された頃です。
 私は「名探偵コナン」に関してはTVアニメ化どころか漫画の存在も知りませんでした。
 しかしなにかのキッカケで「名探偵コナン」の主人公コナンは実は小学生ではなく、何かの事情で「子供」になってしまった大人らしい(その頃はそう聞いた)。

 その時、これはひょっとして小学生の頃に読んだ本が原作の漫画なのかと思いました。
 でもそれが本当かを確認するには情報がほとんどありませんでした。
 
 そもそも小学生の頃に読んだその本のタイトル、著者名を全く覚えていなかったのです。
 唯一覚えていたのが、まさに
「実は小学生ではなく、何かの事情で「子供」になってしまった大人が主人公の探偵物」
というあらすじと、強いて言えばその本の主人公も3文字カタカナだったような...くらい。

 そして今日に至るまでたまにふと思い出した時にボチボチ探していました。

 インターネットのおかげで「名探偵コナン」についても多くの情報を仕入れる事ができました。
 (でも未だに漫画は読んだ事がない)
 その情報を読み取っていった結果、この漫画には私が思っていた原作は存在しないことがわかりました。
 そもそも主人公が子供になった原因も違っていました。

 でも、

 でも、

 でも本当にオリジナル?

 その点が非常に気になりました。
 「盗作」なんて言葉は一番厳しい言葉かもしれないので、そうは書きませんが、

ピカソ君」を読んだ事あるでしょ?

くらいのことを知りたい。

 さて重要参考人は確保した。
 インターネットでこの本のタイトルを入れたら出てくる出てくる。
 もうとっくの昔から議論されていました。

 ということで、こうした新たな情報を元にいよいよ本の探偵の仕事がはじまります。
 なお「結論もすでに出ている」とか、「それは探偵のする仕事ではない」などの意見は無視させていただきます(私にも楽しませて)。