柴田ゆう個展「迷所江戸百景」
畠中恵さんの「しゃばけ」シリーズや米村圭吾氏の一連の作品をはじめとする「時代物」の装画、挿絵で活躍されている、柴田ゆうさんの個展を見に行ってきました。
個展のテーマ「迷所江戸百景」は歌川広重の「名所江戸百景」を柴田さん流に描いたものです。
どの作品もふんわりと柔らかみがあって、また温かみを感じました。そしてどこかしらクスリと笑わせるようなところが必ず盛り込まれてあってとてもよかったです。
そもそも行くキッカケは私の記事(1/22「挿絵本のたのしみ」)に対するコメントで話題に上がった事と、もともと私自身が浮世絵が好きなこともあり、どんなふうに描かれているのか気になったからです。
というのは半分、建前で....
本音は個展だからひょっとしたら柴田さんにお会いできるかも!という助平根性(?)からです。
今日(1/31)は生憎と天気が悪かったのですが、予め決めていた日でもあり天気を少し恨みながら出発しました。
さて向かう途中の電車の中では(もし会えたら)お願いしたいこと3つを考えながら一人興奮状態。
1.写真を撮らせて欲しい(作品&ツーショット)
2.サインが欲しい
3.ブログに写真掲載の許可が欲しい
そのため電車に傘を忘れるという失態をしてしまいましたが、ギャラリー(HB Gallery)に着いた時にはすっかりイヤな事は忘れました。
どの作品もすごくいい!
そして柴田さんご本人ともお話しすることが出来ました。
願い事を考えておきながら、心の準備をしていなかった私の第一声。
「画集はないのですか?」
やっぱりこの質問は見学された方の多くから寄せられたらしく、「まだないけれど、要望が沢山出たら出せるかもしれない」とのこと。
これはやっぱり新潮社に画集要望のメールを打たねばと思いました。
さて願い事ですが、なんと1、2については気軽にOK!!
しかし3については顔の出た写真はNG。
でも作品の方はOKとのことだったので、その一枚を載せておきます。
お話をさせてもらって感じたのは、柴田さんの穏和な人柄がとても作品に表れているなぁということ。
それは例えば「しゃばけ」シリーズなどからでもわかりますが、今回の「迷所江戸百景」でそれがとてもよくわかりました。
「迷所江戸百景」の個々の作品の横に小さな「名所江戸百景」の絵があったのですが、それらを比較すると、柴田さんの作品には線一本一本に柔らかみというか丸みがありました。
これまで時代小説の装画というと、どことなく硬くて、重くて、なんとなく暗めな印象が私にはあるのですが、柴田さんのはどちらかと言えば柔らかく、軽妙で、明るいイメージを持ちました。
やっぱりその辺りが誰にもマネできない「柴田流」なのかなと感じました。
好きな装画家(本人はイラストレータとおっしゃってましたが)が増えました。
もしまた会える機会があったら、本の中身の話も出来るようにしておかなくては...。
ちなみに新潮社HP「しゃばけ倶楽部」にも柴田ゆうさんの絵は存分に使われております。紹介記事もありますので興味のある方はご覧ください。
http://book.shinchosha.co.jp/shabake/index.html