茨木のり子さんの詩
新聞やテレビ、そしてWebのニュースですでにご存知の方が多いかと思われますが、今日(2/19)、詩人の茨木のり子さんが、自宅で亡くなっているのが発見されました。
79歳だったそうです。
私は詩を全くと言ってよい程、読みません。
だから詩集なんて買わないのですが、唯一私が所持している一冊の詩集がこの茨木のり子さんの詩集です。
現代詩文庫20「茨木のり子詩集」思潮社
なぜ持っているかの理由は単純です。
茨城のり子さんの1篇の詩、もっと正確に言うならば茨城さんの詩として引用されていた数行がどんな詩か、を知るためだけに買ったのです。
わざわざ買うまでもなかったかもしれません。
その数行がどんな詩の一部か知った後、ずっと本棚のどこかに姿をくらましていたくらいだからです。
そして今日、茨木さんが亡くなった事を知り、この詩集を思い出して本棚を探しまわりました。
ありました。
まだピカピカ、買った当時のままの姿。
自分がどの詩を探していたのかさえすっかり忘れていました。
最初から最後のページまで、何度も何度も繰り返し捲ってやっと見つけました。
「汲む -Y.Yに-」
私がこのようなタイミングで探す事がなかったならば、この詩はずっと死んでいたかもしれません。
ひょっとしたら私がもう一度この詩集を開くのを、ずっと息をひそめながら生きていたのかな。
皮肉にも本人が亡くなったことを知って詠みはじめるというのはバチ当たりのような気もします。
が、今度はこの詩集を全部通して読んでみようかと思いました。