本楽家 ( ほんがくか ) 通信

本にまつわるあれこれを楽しむ、日本本楽家協会の活動報告です。

子供だけにはもったいない読書会

恒例の古本カフェcestaの読書会に参加してきました。

今回のテーマは「大人になっても読みたい絵本」。
絵本といったら「ぐりとぐら」。
安野光雅も好きだったなぁ。
大人になってからは「自分のための」絵本ってほとんど買ってない。
絵本を買うのが恥ずかしいなんてことはないんだけれど...。
実はずっと気になっていた本がありました。
値が張るので横目で見ていただけでしたが、このテーマを機に購入していざ参加!

さて読書会。
定番モノが出てくると思いきや、初っ端から興味深い絵本が!
小学生がこれを読む!?というテーマとしてはなかなか考えさせられるような絵本が登場。
思春期あたりの子どもにちょうどいい?
でもそれくらいの子どもって絵本は読まないよね...などなど。

続いて出てくる絵本も大人な絵本が紹介される。
ストーリーは考えさせられます。

途中本好きにはたまらない絵本も登場。

内容的にどちらかと重たくなってきた矢先に今度は一転心が洗われるような絵本登場。
絵だけ見ていてもなんだか純粋な気持ちになっていくような(!)。

今回は男女比がほぼ半々。
男性陣は私も含め、「大人が」読む絵本。
女性陣は昔読んだという子どもの頃に読んで今も好きな絵本。
結構綺麗に分かれた感じ。
お子さんがいるお母さんも参加されていましたが、自分が楽しく読んでしまうとのこと。
お母さんが楽しんで読めば、読んでもらう子どもも楽しいだろうなぁ。

それにしても子どものころ読んでいた絵本というのは侮れない。
まさに大人になっても読みたい本が勢ぞろい。

そういえば、絵本に登場する大人って本当に大人。
広い心で子どもを大きく包み込むような大人ばかり。
子どもは肯定的に育てられることで、自分が存在することをよしとする、
みたいなことをどこかで聞いたことがある(全くのあやふやな記憶ですが...)。
あれダメこれダメというのはついつい言ってしまいがちだろうけれど。

そのほか、文と絵が別の分業制が絵本は多いとか、
紹介を聞いて昔読んだことを思い出したとか...
話題が多岐にわたって盛り上がりました。
絵本って楽しいなぁと改めて思えた読書会でした。


〜紹介本メモ〜
キム・ヒギョン(作)、 イヴォナ・フミエレフスカ(絵)、かみやにじ(訳)「こころの家」(岩波書店)
ジョルジュ・サンド(作)、ニコル・クラヴルー(絵)、田中真理子(訳)「薔薇と嵐の王子」(柏艪舎)
サラ・スチュワート (作)、デイビッド・スモール (絵)、福本友美子(訳)「エリザベスは本の虫」(アスラン書房)
林木林 (作)、庄野ナホコ (絵)「二番目の悪者」(小さい書房)
安房直子 (作)、南塚直子(絵)「うさぎのくれたバレエシューズ」(小峰書店)
シエル・シェルヴァンスタイン、 ほんだ きんいちろう(訳)「おおきな木」(篠崎書林)
シエル・シェルヴァンスタイン、 村上春樹(訳)「おおきな木」(あすなろ書房)
アヌック・ボワロベール&ルイ・リゴー、 松田素子(訳) 「オセアノ号、海へ!」(アノニマスタジオ)
瀬田貞二 (作)林明子(絵)「きょうはなんのひ?」( 福音館書店)
丸山誠司「おしろとおくろ」(佼成出版社)
西村繁男「にちよういち」(童心社)
H.A.レイ、光吉夏弥(訳) (「ひとまねこざる」(岩波の子どもの本)
H.A.レイ、光吉夏弥(訳)「じてんしゃにのるひとまねこざる」(岩波の子どもの本)
C・V・オールズバーグ、村上春樹(訳)「ハリス・バーディックの謎」(河出書房新社)
飯田朝子(作)、寄藤文平(絵)「みんなでつくる1本の辞書」(福音館書店)

番外
あかぎかんこ「本の探偵事典 いろの手がかり編」(フェリシモ出版)
椎名誠「絵本たんけん隊」(角川文庫)