ザミャーチン「われら」岩波文庫
1920年代の作品。
「恩人」の名の下にその「単一国」の国民である「われら」はその生活を「時間律法表」で管理され、その行動を「守護者」によって監視されている世界での話。
アンチ・ユートピアを描いた作品。
そもそも国民は「員数成員(ナンバー)」で区別されている。でも一人一人が「われら」という認識のもと生きているこの世界では区別はあってないようなもの。
員数成員からやはり住民基本台帳ネットワークを思い浮かべてしまう。だからといって単純に住民基本台帳ネットワークが駄目だというわけではもちろんないが。
迷いがなくなることは良い事なのか?
この作品は「反ソ宣伝の書として長く文学史から抹殺され」ていたそうだが、社会主義批判だけに目を向けていてはいけない。科学技術の活かし方を間違えてはいけない。
SFとは書いてないがこれは本格SF(?)小説。