本楽家 ( ほんがくか ) 通信

本にまつわるあれこれを楽しむ、日本本楽家協会の活動報告です。

17軒目 横浜(ネット販売) 黄麦堂


 前回までの記事でも採り上げた田中栞さんのご主人はネット販売専門の古本屋を営んでいらっしゃる。
 そしてひょんなキッカケで、その古本屋の倉庫へ潜入することができました!?
 (キッカケについては下記の記事↓を参照)
 http://blogs.yahoo.co.jp/azusa12111/18488639.html

 行って見てビックリ!
 そこには整然と並んだ絶版文庫がズラッと並んでいた。
 その数は1万冊を下らない!

 それを今!自分だけが!貸し切り状態で!見る事が出来る喜び!!

 いつになく感動したせいか、視線がふあふああらぬところを見てしまい、本そのものをじっくり見る事が出来ない!
 岩波文庫講談社文庫、サンリオ文庫旺文社文庫ちくま文庫、...まだまだ私の守備範囲を越えたもっと古い文庫まで様々ある。
 それもとても奇麗に。

 本棚をふらふら漂っていると、ご主人に呼ばれた。

 ご主人はセドリしてきた本のチェックをするという。
 今回仕入れた本で講談社江戸川乱歩シリーズが全部揃う予定とのこと。
 ドキドキしながらシリーズ物をチェック!

 シリーズ全揃い!
 数百円で購入した文庫がそれ一冊だけでも普通だと千円以上する。
 それがシリーズでまとまったとなればいったい幾らのものになるやら!
 セドリの醍醐味の一つかもしれない。
 いたって冷静なご主人の隣で私だけが歓喜の雄叫びを上げる。

 さていよいよ自分が欲しい本を探そう。
 時間は私が「気の済むまでいい」とのことだが、それを本気にしたらお互い自宅に帰れなくなるのは必至なので、数冊選んでご主人に渡す。
 実は軍資金が少なかったので恐る恐るだったが、オマケもしてもらって格安で購入!
 満足すぎて後が恐い(?)

 さてご主人は、人が良さそうで一見おとなしそうな感じの方だが、かなり話し好きの方と思った。
 倉庫の中で、帰宅途中、そして自宅に戻ってからもご主人はいろいろ話してくれた。
 私の知らない事や裏話(?)がたくさん聞けてとても楽しかった。
 いっそのことそのまま居座って聞きたかった。
 しかしそこを振り切って(当たり前か)、帰る旨を告げる。

 田中夫妻の
「またいらしてくださいね。」
 の一言を「本音」と胸に刻み、今度はいつ黄麦堂へ行こうかと密かに狙っているところである。